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途中で飽きちゃってず~っと下書きに残っていた記事。
間もなく療養休職生活も終わるので、この機会に仕上げとこうと思います。
前記事>>>【74′log移植】ガンダムの運転に悩んだ少年時代。ガンタンクは唯一理解できるヤツだった。
ファーストガンダムの登場人物で、「チャラ男」設定と言えば
ガンキャノンの運転手・カイということになるだろう。
大したイケメンでもないのだが、とにかく軽~い男で
セイラさんに「軟弱者っ!」とビンタされたり、
出会ったばかりのミハルを戦闘機に乗っけて落っことしちゃったりと
そのあたりのチャラさが顕著に描かれていた。
が。
前記事の最後に触れたが、アムロの女性関係を見れば、カイなんて全然好青年だ。
アムロはもう・・・「気が多い」なんてレベルではない。
出会った女性全てをそういう対象にしてしまう凄まじい男なのである。
アムロにはフラウ・ボウというガールフレンドがいた。
ホワイトベースに乗り込む以前より、
アムロは何かと身の回りの世話をフラウにやってもらっており
お互いを特別な存在と意識して、
いや、或いはそれを超えて多少マンネリした状態でかも知れないが
とにかくそんな風にして二人は戦場へ出たはずだった。
ハロを子供に見立てて家庭のシュミレーションも出来ていたはずだ。
カツ・レツ・キッカへの対応で、子沢山家族への準備も出来ていただろう。
なのに、である。
綺麗なおねーちゃんがいっぱいいる地球防衛軍での生活の中で
アムロは完全に「デビュー」してしまった感がある。
事の始まりは、ランバ・ラルとの出会いだったと推測する。
ランバ・ラルの内縁の妻、ハモンに気に入られたことでいい気になり
お姉さん好きが開花。
ハモンは「好きだったわ、坊や」と口にし、リュウさんの体当たりを受けて散っていく。
多分、このあたりで激しくキュンとしてしまったのだろう。
他人の(内縁の)妻である、年上の女性に魅かれた・・・ということだけでなく、
ハモンと初めて出会った飲み屋に
ジオン兵に捕らえられたフラウが連行されてくる・・・という一幕も
アムロにとって、何か・・・「恋人と新しいオンナの鉢合わせ」に似た
シビレちゃうスリルと興奮を抱かせたのかも知れない。
これを機に
地球防衛軍唯一の生足だったピチピチのフラウすら目に入らなくなるほど
アムロは「年上のお姉さん」にのめり込んでいくわけである。
次にアムロが夢中になった相手がかの有名なマチルダさん。
マチルダには婚約者がいたわけだが、凛としたイメージともども
ハモンと条件は似ている。あの時のおぼろげな想いを炸裂させる相手としては申し分ない。
マチルダ救出作戦を命じられた時のアムロの張り切りようは半端なかった。
フラウの冷たい視線にも気づかない。
そして、マチルダが散った時に、あの名台詞
「マチルダさぁぁぁぁぁぁん!」を号泣しながら発するのである。
フラウの目の前で。
ところがところが。
その場にいたはずの、お姉さん二人、セイラ・マス、ミライ・ヤシマに対しても
アムロは恋心を抱いていたのでは?・・・と思われるフシがあるのだ。
まず、セイラ・マスは確定。
そもそも、小説版では男女の関係が描かれている相手だ。
この記事はTVアニメ版ファーストガンダムのみについてなので、敢えて掘り下げないが。
Zガンダムでは「結婚しなさい、まだセイラさんのこと好きなんでしょう?」と
フラウに問われるシーンもあるらしい。
よりによってフラウに言わせるとか・・・最低じゃない?
セイラはかなりデキるお姉さんである。
運転手さんとしても、ズゴック、リックドム、ゲルググをいとも簡単に撃墜する凄腕。
普段は滅茶苦茶クールに振舞っていながら、時々女の弱さをポロッと見せるあたり
結構なテクニシャンでもある。
これもう・・・アムロ、夢中になっちゃうパターンじゃないだろうか。
忘れてはいけないのが、セイラが宿敵・シャア・アズナブルの妹という事実。
アムロがその事実をどの時点で知ったのかは失念したが
ハモン、マチルダの時にときめいた「好きになってはいけない相手」的なキーワードも
ビンビン来てしまったのではないだろうか?
ミライについては、特別そのような描写が無いが
アムロに対する理解度が高く、「お姉さん」的資質は非常に高かったため
好意を持っていても不思議ではない。
・・・というレベルでしか語ることは出来ないが
ポイントとなるのは「ブラジャー事件」。
脱衣所に干してあったブラジャーをアムロが一瞬で「ミライのもの」と見抜いたのだ。
だいぶ変態ちっくな領域で・・・これは怪しい。
ミライは船長・ブライトさんからの信頼が厚く、
二人がお仕事の打ち合わせをする時などは、
他の人間が入り込みづらい空気を醸し出していた。
案の定、続編で結婚することになる二人。
ファーストガンダムの段階では
二人が男女の関係であったかどうか・・・は断言しづらいところがあるが
ブライトが寝込んだ際にミライがしれっと付き添っていたシーンを見ると、
この時点で誰が見てもだいぶ怪しい感じはある。
まぁ、この時点で、ミライさんには婚約者もいたし
ホワイトベース内にまた別に想いを寄せる男もいたっぽいので、
見かけによらずちょっとアレな感じではあるのだけど・・・。
それはおいといて。
だとすると、こちらも「好きになってはいけない相手」。
アムロが盛り上がっちゃう要因は揃いすぎている。
親父にもぶたれたことないのにビンタしたブライトに対して
ミライさんに接近することで仕返ししてやろう!・・・的なことを
アムロが無意識にしようとしていてもおかしくはない。
そんなこんなしているうちに、登場するのがララァ・スン。
お姉さん好きから一転、不思議チャンが相手である。
不思議チャンだけど、相当デキるコだ。大型免許だって持ってる。
なんてったって、あの巨大なエルメスを転がす女性ドライバーだ。
ビグザムよりでっかいんだからね。
ここまでデキると、もう「年上女性」っていうキーワードなんて必要ない。
逆に今度は「仕事ぶりとのギャップに萌え」ってところだろう。
よりによって、ララァは宿敵・シャアが想いを寄せる女性。
あのクールなシャアをムキにさせちゃうほどすっごい女なのである。
アムロもこれまでになく夢中になっちゃったのではないだろうか。
なんだかんだで殺しちゃったけど。
妹に色目を使われ、愛する女性を死に追い込まれたシャア。
そりゃあ、ガンダム倒しに躍起になるってもんだ。
いずれにせよ、もうこの時点で、
「何でも欲しがるアムロちゃん」完全覚醒である。
こんな風に、色んな女をとっかえひっかえ恋愛対象に据え
「戦争」という青春を満喫したアムロ。
でも結局誰もモノに出来なかったり、死なせちゃったり・・・。
で、ファーストガンダムの最後の最後に
他の女に夢中ですっかり目に入っていなかったフラウに対し
あろうことか、「“僕の好きな”フラウ」とテレパシーで呼びかけるのだ。
もう・・・痛快過ぎて言葉も出ない。
まあ、「大好きな」でも「愛する」でもないあたりに若干計算じみたものも感じるが。
この時には、嫉妬に疲れたフラウは真面目コツコツなハヤトさんといい感じになっていたわけで。
そのあたりが唯一の救い。
そして、今さっきそんな言葉を発したばかりのアムロは
結局セイラの胸に飛び込んでいく・・・っていう・・・。
気が付けば、登場する重要女性キャラクターの殆どと
何かしら怪しい匂いをさせているアムロ。
この節操のなさはもう見事としか言いようがない。
唯一クリーンだったのは、キシリア・ザビとの間くらいではないだろうか。
もっとも、接点さえあれば、この女とだって何かやらかしてたかもしれない。
昼ドラを軽く超えた世界だ。
そう考えると、有害番組に指定されて然るべきアニメではなかったか・・・。
子供の頃に、こんなアムロの無節操な姿を見せつけられたおれは、
それを反面教師にして、「デキる男」になることをやめたのである。
やればデキるのである。多分。