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最近はやや緩めな記述も多く見かけますが、
ヒョウモンガメの飼育難易度「中~難」とされていることが多いようです。
実際、ベビーから13年間育てている経験から言いますと
ヒョウモンガメ飼育は決して難しくないと思います。
ただし、やはりいくつか条件があります。
①ベビー時から、広めのケージを用意できる。
よく言われることですね。しかし、ちょっと観点が違うかも知れません。
狭いスペースでも運動不足にはならないかもしれません。
放っておいてもガサゴソ動き回って勝手に運動しますので。
問題は、ケージ内の温度勾配です。
ヒョウモンガメを育てるにあたって、ケージを暖めることになるかと思いますが
それ一辺倒がマズイのです。
暖かい場所と涼しい場所、両方作ってあげないといけません
飼育し始めた頃、暖め一辺倒から“光と影”仕様のレイアウトに変えたところ
活動量が増え明らかに状態が良くなりました。
爬虫類であるリクガメの体温はその場所の気温にならざるを得ないわけで
生息地の気温、湿度を完全再現できない以上は
自分で理想的な気温を選べる環境で無いといけません。
ここ、かなり重要だと思います。
そのためには、やはり広いケージが必要なのです。
②数年後には、屋外に運動させる場所を確保できる。
リクガメの成長には紫外線が必要ですが、太陽光に勝るものはありません。
ケージ飼育していた個体を屋外に出すと、活動量が増え、食欲が増進され
糞尿の頻度・量も増えるのが確認できると思います。
リクガメにとって良い環境…ということです。
また、屋外で野草を食べることで、同時に土なども摂取し
完全飼育下では不足しがちな栄養を補給できることも重要だと思います。
我が家では夏期は完全に屋外飼育ですが、
毎年秋になるとひと回りもふた回りも大きくなって、黒々とした状態で
屋内飼育に戻ってきます。
飼い主が立ちあって、「一日何分」というやり方も無いよりはマシですが
自然の恵みを得る時間としては、それでは足りないように思います。
有る程度まで成長したヒョウモンガメには
人間の都合に振り回されず、自然光の下でのびのび暮らせるスペースがあるのが理想です。
脱走対策、鳥や犬猫対策、日陰対策、防雨対策…
そのあたり心配の要らないスペースを用意したいところです。
(我が家はもう鳥・犬猫に関してはまったく心配していません)
③家具を壊されることを覚悟する。
ケヅメリクガメ飼育者にとっては定番の条件ですが
ヒョウモンガメにおいても同様。まったく大げさではないです。
ケージが狭くなってくると、室内に放すことも多くなると思いますが
甲長30cmを超えたあたりからは、相当手を焼くようになります。
彼らは相当なパワーを持っています。
ヒョウモンガメは何かにつけて狭くて暗いところに入りたがるのですが、
その際どうも自分の甲羅の高さを計算していないようなのです。
そのため、木製の家具などを甲羅でバリバリッとやることもあるし、
不安定なものを「ドンガラガッシャーン!」も日常茶飯事です。
椅子を背負って室内を闊歩していたりすることもあります。
⑤餌代、相当キツイです。入手ルートをいくつも用意できますか?
ヒョウモンガメはべらぼうに大食いです。
20cm越えの個体になると、1食でコンビニ売りの小松菜一束を楽に平らげます。
それでいて、ボケた老人のように「ごはんは?ごはんは?」と催促してきます。
野菜の値段が高騰している現在、まともに買っていたらとても持ちませんよ。
そこで、自分で採取したり、育てたり(広大な畑が無いと意味なし)、
あるいは近所の農家さんに分けていただいたり…などという
別の入手ルートを用意するのが望ましいです。
④赤ちゃんがいる家庭は絶対ダメ!
我が家ではこんな状態の時期もあって、まったく説得力が無いんですが…
でも、ダメです。危ないです。
ヒョウモンガメがまだ小さくて、ケージ飼育だったとしても
そのケージの中にある保温ランプにうっかり触ってしまうと
一瞬にして皮膚が焼けただれます。(経験アリ…)
大きくなったヒョウモンガメは、決して攻撃するようなことはないものの
指を餌と勘違いして噛むこともありますし(経験アリ)
甲羅に引っ込むときに指を巻き込まれたりすると、幼児なら軽く骨折します。
赤ちゃんが成長して悪ガキになったら、それもそれで大変です。
人間の子供、ヒョウモンガメ、どちらにも不幸な結果になってしまいます。
このあたりをクリアできれば、ヒョウモンガメは素晴らしい家族の一員になってくれるはずです。